フィギュア作って一発当てよう

いわゆる美少女フィギュアブーム全開の97年のある日、友人のQちゃんとの雑談中に「フィギュア作って一発当てよう」的なノリになって。 ビッグサイトで開催される「ワンダーフェスティバル」にディーラーとして出てみようと。 そんな事が本当に出来るのか良く考えないまま準備だけは進んでいきました。 アニメには鼻が利くQちゃんがマーケットリサーチ担当って事に。 我々のコンセプトとして、えげつないのはやめようと。

そこでリサーチ担当が選んだのが「カードキャプターさくら」。 人気のコミックで、NHKでアニメ化も決定してました。 ストーリーは主人公の女の子が親友の作ったコスチュームに身を包み妖しげな連中と魔法で戦うって言う、まあ手始めにはちょうどいい感じです。

材料は何を使うか迷った末、当時流行り始めていた「スーパースカルピー」」という粘土を始めて使ってみました。 これは成型後オーブンで過熱すると硬化し、刃物で切削出来るというハイテク?ネンドです。 粘土なので造形作業自体はとてもやりやすいです。 ただ「焼き」の加減が難しく、炭化したり生焼けだったりで結構てこずりました。

基本ネンドなのでこんなコスチュームのようにフワッとした感じを出すのが得意です。 カッターナイフとヤスリ、と言うよりも指とヘラって感じでざっと形にするのは速いです。

今回「量産」には遠心注形機を使いました。真空注型出来ない素人が少しでも脱泡できるように、 っていう浅はかな発想です。もちろんそんなモノ持ってないので作りました(笑)。モーターは中古洗濯機から外したものを使います。これを上に向けて合板で組んだ箱に収め、回転軸に型を載せて固定できる台を付けます。 コレを回して型の中心の湯口からウレタンを流します。そのため、型には原型を放射状に配置する必要があります。なのでこの下半身のパーツも円形の型にレイアウトしやすいように左右で分割してます。

腕の構成パーツもディティールの再現性と注型のし易さを考えて3分割にしました。 設定画では袖の部分と手袋は色が違うので分割することで塗装も楽チンです。

その3パーツを合わせたところです。 左肩のてっぺんに付いてるエイリアンの卵みたいのはこの主人公の相方、「ケロちゃん」のシッポの先です。 ココにシッポに見立てた針金をさしてケロちゃん本体を空中で支えます(コレ、自分ではなかなかのアイディアだと思ってるんですが)。

胴体との合わせは平面的にならないように服のシワに沿って波打たせてます。

あたまも3パーツに分割しました。 ヘアバンドはあたま本体と一体でその前後を髪のパーツで挟みます。 これで髪の位置決めと固定がやりやすくなり、塗装時のマスキングの手間も省けます。

組むとこんな感じになります。 この髪のようにシャープなエッジを表現する形状は 「スカルピー」は苦手です。 なので通称「馬パテ」、コニシボンドのエポキシパテ を使ってみました。 ただ、エポパテはやや粘りがあって切削性がよくない のでちょっと失敗でした。 (ただし原型としての強度は申し分なし)フツーにポリパテで造ればよかったと後悔。

今回コスチュームのフレアーは出来るだけ薄くしたい と思ってました。 注形型のサイズの制約や素人の技術的な問題から、量産しやすいバキュームフォームにしました。 ポリパテでバキューム用の型を作り裏打ちとカサ上げをします。

1mm厚のABSを成型します。 塗装しやすいように色は白にしました。 自分では薄さと強度を両立したグッドアイディアだと 思ったのですが、後に購入頂いた方から「切り取りが 大変でイヤになった」と言われました(汗)。 切り取りと仕上げの後真ん中に穴を開けておきます。

その穴を腰に挟んで上下のBODYを合体します。 フレアーを組み付けた時に「胴長」にならない様にこの部分にはバキュームパーツの板厚分、1mmのスキマを作ってあります。

全ての原型を仕上げて「遠心注型」へと進みます。 この当時「フィギュアの組み立てキット」の製作だけで手一杯で、記録写真を撮る余裕なんてありませんでした。 なので、前出の遠心注型マシーンの雄姿(笑)をお見せ出来ないのが残念です。