ドールカスタムへの道 今度は60cm(!)のSU-METAL風?


2017年12月広島公演の翌日、ホテルのロビーで声を掛けて頂いたメイトさん。
あの時、少しお話させて頂いた「新作」がコレDEATH!
すうさんの2017年の衣装はディティールが複雑で1/6サイズで再現するのは難しいので。
今回のドールのサイズは身長なんと60cmです。
いつも製作開始のタイミングが悪くて途中でご本人の衣装が新型に替わってしまい、テンション下がるので。
今回は衣装を先に完成させてしまいました。
例によって完成はまだまだずっと先になりそうですが、とりあえず。
60cmのSU-METALドール製作、はっじまるよ~。


今年の夏ごろ、中国のネットショッピングサイト「タオバオ」でこんなドールを見つけてずっと気になっていました。
身長約60cmのこのドール、どことなく乃木坂の「姉メタル」に似てる?かも、って。
・・・「!って事は?」手軽にSU- METALにカスタム出来るのか?っていう軽い気持ちで、結局買ってしまいました。
価格は580元、日本円で1万円弱。
日本で同様のドールを買うよりもかなり手頃です。
関節各部を内側からゴムひもで繋いだ可動式で、レジン製ボディのプロポーションを含めてクオリティーは悪くないです。
顔に施されたメイクも手馴れた感じで良く出来てます。


ただ。実物を手にしてみるとやっぱり、そのまま「SU- METAL」にするのはムリそうです。
で結局、この顔の形状をカスタムする事にしたんですが。
綺麗なメイクの顔をガリガリ削ってしまうのも勿体ないので購入したショップにメイク無しの頭だけ欲しいって言ったら、その為だけに注型するから割高になるよって言われて。
結局、メイク無しの頭付きでもう一体丸ごと改造用に買ってしまいました。
・・・ところで、「姉メタル」で思い出したんですが。むかし、ベビメタの「かくれんぼ」のデスボパート「ナクゴハ イ・ネ・ガ!」のところを「ナカモト ヒ・メ・カ!」って叫ぶのがありましたが。
今もやってるメイトさんいるのかなぁなんてね。


このドール、例によってプロポーションがセクシー過ぎます。
形状の抑揚が大きいと衣装の制作も大変なので、まず初めにボリュームを落としてしまいます。


帰国の際に少しづつ買い集めていた布地を使ってトップスを作っていきます。
ワタシは精密な縫製が出来るミシンを持っていません(当たり前かw)
なのでドールの衣装は、縫製の必要がない限りほぼ「接着」で作ります。
このトップスもこの状態まで全て接着剤だけで作ってあります。


次にいよいよ。今回の最難関、胸の装飾を作っていきます。
どうやって作るか散々悩みましたが。
パフォーマンスするディーバのステージ写真をよ~っく見ると、胸全体に取り付けられた装飾には一定のパターンがあります。
大きなブロックをひとつ作れば、後はコレを組み合わせて使えそうです。
そこでプラ材から基本のブロックを作ってシリコンで型取り・複製、量産します。


ただしコレを取り付けるのはドール用の衣装です。
このパーツに柔軟性がないとうまくいきません。
そこでひらめいたのがコレ!
知る人ぞ知る、靴底の補修剤「シューグー」デス!
すり減ったクツ底の補修部分に塗り、乾くとゴムのような性質になってクツが復活するっていう優れモノです。
コイツをシリコン型に塗って硬化させて様子をみます。
うん、なかなか良さそうなので量産します。


量産したシューグーパーツの外形をきれいにトリミングして、このパーツのフチになる布地に貼り付けていきます。
さらにこの布地の外周を裏側に折り込んで接着すればトップスへの取り付け準備は完了。


全て取り付けるとこうなります。
2017年型のこの衣装、まぁよくデザインしましたな。
あらためてこうやって見るとカッコいいッス。
(置いてある根付けはサイズ比較用です)でも。
去年の年末の彼女のインタビューで、すでに2018年用と思われる新型が公開されているので・・・。まあ、それも毎度の事なので。
まだまだいくよっ!


襟元のパーツは密度が高いのでいつも苦労するんですが、今回はサイズが大きくて作業しやすいです。
1/6サイズだと接着したギャザー部分が、布の反発力で広がってしまうのに悩まされました。
今回はこのサイズなのでギャザーの付け根部分を2列で縫ってしっかりと止めてしまいます。
この縫い目はさらに上に重ねる細かいギャザーで隠してしまいます。


次にスカートを作ります。
この2017年型は過去の ものよりもシンプルな構成なので気楽に進めます。で、一応完成したんですが。
裾の広がり方がちょっとイメージと違うので、ココはもう一度作り直すかも?ハリウッド公演の時、ステージ横から見たトップスの背中の部分が「ドライメッシュ」系の素材のように見えたので、このドールでも同じような質感の素材を使ってみました。


以前作った1/6ドールでは彼女達のトレードマークでもある「キツネサイン」ハンドを自作しました。
今回も作ろうと思ってはいましたが、どーも気が重くて手付かずのままでした。
そんな時に何となく物色していた「タオバオ」でこんなモノを見つけてしまいました。
ちょっと、「ガンプラ」的な雰囲気も漂いますが・・・。


なんと、1/3サイズの関節フル可動ハンドパーツです!
もちろんすぐに注文。
左右一組で160元、約2,700円です。
片側14の関節のうち、指の9か所すべてにジョイントパーツを内蔵、その中に細いゴム紐を通して金属のS字フックで固定してあります。こまけっ!
なんたって、フル可動です。
もちろん真っ先に試してみるのはこのカタチ。
中指と薬指を親指に乗せるのが難しいですが、ちゃんとキツネになってます!
コレ。スゲェ!


衣装の制作が一段落したので。
いよいよ、1/3サイズ(デカっ)のヘッドカスタムを開始します。
まずは、形の違いが気になる頭部のシルエットの修正から始めます。
ポニーテールは頭の形がはっきりと出てしまうので。
あとはいつも通り、ご本人の写真を見ながらポリパテの盛り削りをひたすら繰り返していきます。
今回は悩んだ末に僅かに微笑んだ表情にチャレンジしてみます。


ドールヘアーを付ける頭頂部のパーツは髪の生え際で分割しておきます。
パテの盛り削りが一通り終わったところで、全体にグレーのサーフェイサーを吹きつけます。
これで表面の状態が見やすくなるので、デコボコやキズを直しながら形状の修正も続けます。
修正をする度にサーフェイサーを吹いて表面を整えていきます。


形状の最終的な確認は彩色しないと出来ないので、彩色の為の複製品を作ります。
が。今回のドールは、その構造上ヘッドの着け外しや本体のメンテナンス時に頭頂部のパーツを取り外す必要があります。
後々ココの固定方法で悩むのもイヤだったので、このタイミングでダボのはめ込みとマグネットで固定する構造を作ってしまいます。


平成最後の大晦日、散々飲み食いしたのに夜中にフツーに天ぷらそばを食べたもんだから。
胃もたれで全然寝つけないので、元旦の深夜なのに突然ドールヘッドの塗装開始。
色々あり過ぎて9か月間(!)ストップしていた、60cmSu-METAL風ドール。
ボディーと衣装は完成しているのに頭だけが放置されているのがず~っと気になってました。
今年、BABYMETALが活動を始める前に再開しないと一生完成しない気がして。


二分割したヘッドの上側パーツの髪の生え際部分をエアーブラシでぼかします。
コレにドールヘアーを接着していきます。
今まではドールもフィギュアも黒いドールヘアーを使いましたが。
今回のドールはサイズが60cmと大きいので、真っ黒な髪の毛だと「日本人形」感が出てしまいそうな気がして。
CDショップ大賞の授賞式あたりのSU-METAL見てると髪は結構茶色にも見えるし。


なので今回はいつも使っている「アゾン」のドールヘアーに代わって初めてレーヨン系のダークブラウンを選んでみました。
が、この製品。
一本一本がとても細くて絡まりやすく少々扱いにくいです。
ポニーテールにまとめてヘッドに載せてみると、色味もイメージとちょっと違うし。
さらに整髪の為に水を付けるとウェーブになってしまいどうもSU-METALっぽくないです。


で。
結局この「茶髪」を全部取り外していつもの黒いドールヘアーを接着し直しました。
ちょっとテンション下がりましたが手を止めるとまたストップしてしまうので先に進みます。
「触角」はオデコに接着し前髪は頭部パーツに仕込んだ極小ネオジム磁石で着脱式にしてあります。(ガンプラっぽいス)
ここで確認の為に全て組み付けてみます。
ポニーテールの位置は暫定なので(また)輪ゴムですが。


髪の生え際に手を入れてないので色々パッツンですが。
ボディーとのバランスが見たいのでヘッドを載せてみます。(相変わらず背景がアレですが)
1年前に完成していたボディーにようやくヘッドが載りましたが、この姿・・・。
たった1年とは思えない時の流れを感じるのはナゼだ?
とりあえず完成に向けてまだまだ手を入れていきましょう。


角度を変えてもう1枚。
首とヘッドのジョイント部分の擦り合わせが不十分で頭の「座り」がイマイチです。
また。
このボディー、プロポーションのデフォルメが強くウエストや体全体の線が細いです。
なのでヘッドがもうほんの気持ち小さい方がバランスがイイ感じ?ですが。
さすがに今さらヘッドのサイズを修正するのは厳しいのでとりあえずこのまま進めます。


さらに正面からもう1枚。
今回、目は市販のドールアイに塗装して「虹彩・こうさい」(黒目の外周部分)の直径を小さくして使用しました。
せっかくのガラス製なのにこの塗料のせいで透明感がなくなってしまいました。
しかも左右で黒目のサイズがビミョーに違います。
なので、目の表現はまつ毛の接着も含めてもう少し試行錯誤してみます。
1/6サイズでは出来ない事を試してみますか。

気分的に一段落して、また作業がストップしてましたが。
小物パーツも作って完成させましょう。
まずはリストバンドから。
1/6サイズで制作した2015年型に比べて今回のデザインは割とシンプルなので気が楽です。
以前の様に展示イベントで実物を見たり出来ないのでディティールはかなりテキトーです。


コレをいつもの極小サイズのマジックテープで固定出来るようにして腕に装着します。
写真を見ながら慎重にサイズを決めたんですが、なんか小さかったので作り直しました。
で、コレはテイク2。
イメージに近づいたのでリストバンドはひとまず完成。


次にシュシュを作ります。
どの写真を見てもデザインがよく分からないのでコイツもテキトーです。
ただ、「メタルの花びら」をイメージしているよう?なのでそんな感じで。

60cm Su-metal Doll

この衣装、袖口に黒いひらひらのフレアーが付いているんですが。
ワタシ的には無い方が好きなので付けていません♪
で。
SU-METAL本体はとりあえず完成なのでココで短い動画を。
ミニチュアは単眼のカメラで撮影した静止画だと実際の雰囲気が伝わり難いので。
画質粗いDEATHが。

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