006 ドールカスタムへの道

一番の問題はモノが小さくてオッサンの目じゃよく見えないって事!

001 ブラックウィドー
コレは香港のフィギュアメーカー「ホットトイズ」のアクションフィギュアです。7~8年前「ランボー」が製品化された頃から気になってたんですが、この「ブラックウィドー」をついに買ってしまいました。サイズは1/6とか12インチと呼ばれるサイズで、全高約280mm。演じるスカーレット・ヨハンソンに似てるか?は置いといて、製品としてのクオリティーは非常に高いです。
002 HOTTOYS 買い始めるとキリが無い、ってのが今までこのシリーズに手を出さなかった理由でもあるんですが・・・。すでにそうなってます(笑)。キャットウーマンで5個目♪ 「ブラックウィドー」は前回のアイアンマン版が買えなかった悔しさから2体(!?)ゲット。さらにT2版のシュワちゃんを買おうか迷ってます。ほらっ、キリが無い・・・。
003 hotstuff
このシリーズで散財中(笑)にネットで専門ショップ巡りをしていて、アクションドールが妙に進化しているのを知りました。ドールのボディー、いわゆる「素体」が凄い事になってます。この「HOTSUTUFF」ボディーも香港製(台湾製だそうです)で1/6サイズ、シリコンのボディーには継ぎ目なし。関節可動で指先まで動かせます!「スげぇな」。この類の「素体」は頭を付けずに売られるのが一般的なようでこの製品にもヘッドパーツは付属しません。
004 ドールヘッド なので当然ボディー同様にリアルなドールヘッドを載せる事になるんですが、これがまた凄い事になってました。量産されたドールヘッドもありますが、カスタムペイントされたリアルヘッドをオークション等で手に入れる事も可能です。これはドールメーカー製の無地の量産ヘッドにラッカーやアクリル塗料で彩色したものが主流のようです。
005 オビツヘッド

ただ。ドール系のカスタムヘッドは基本的にベースのソフビ製ヘッドに色を塗ってるだけなので、頑張れば自分でも作れるかも?ちと無茶な気もしますが、まぁダメもとでチャレンジしてみます♪で。手始めにアキバで材料を揃えます。何軒かあるドールショップを一通り廻って勉強の後、カスタムヘッドとしてよく使われているオビツ製作所の「植毛ヘッド」や「ドールアイ」を購入。そう、人と同じことやってるうえに出来が悪いってのはカッコ悪いのでちょっとだけオリジナリティー出してみます♪

006 オビツヘッド
(この先、人形の頭を切ったり穴開けたりする画像が続くので苦手な方はご注意を)大きいサイズのドールでは一般的に使う「ドールアイ」を入れたカスタムに挑戦してみましょう。そこで同じくオビツ製の6mmドールアイを用意してカスタム開始。まずは内側からドールアイを入れられるようにヘッドの一部を開きます。植毛が抜けてしまわないように毛穴を避けて慎重にカットします。ただし額の部分は切り離さずに残しておきます。
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次に目の部分に穴を開け、ドールアイがぴったり密着するように裏側をリューターで削ります。ソフビヘッドは素材そのものが表面に出る仕上げになるので余計なキズを付けないように慎重に作業します。ソフビってヤワくて削りにくいんですがダイヤモンドビットで気長にチマチマと♪
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切削中は削りカスが飛び散って掃除が大変です。後々この作業を繰り返すのも面倒なので流れ作業で何個か同時に進めます。口元にも表情を付けたいので開口して裏側を薄く削ってます。
009 ドールアイ
目の形と裏側を整えたら裏からドールアイを当てて様子を見ます。この時ドールアイを治具にはめ、瞳の位置や向きを正面から確認しながら作業できるようにしました。ドールアイは接着後に治具から簡単に外れるように加工してあります♪
010 ドールアイ
問題なければここで接着してしまいますが完成後にドールアイが外れてしまわないように接着剤は強力な、セメダインのプライマー併用型「PPX」を使います。裏側から見るとこんな感じです。接着剤は裏からも流しておきます。
011 カスタムドール
両方の目を接着したところです。左右の瞳の向きが違うと視線が定まらないので気を付けます。さらに口元はリューターやサンドペーパーを使って造形しておきます。今回は少し開いた口から歯が見えるようにカスタムするので口の形状は開いた状態を確認しながら造形していきます。
012 カスタムドール
ここで口の中に入れる歯のパーツも作ります。ワリバシの先端に練ったエポキシパテを取り付けます。これを内側から口の部分に押し付けたまま固定して硬化させます。硬化後に「歯」らしく整形しておきます。表から見えるのはほんの一部なので、この程度の造形で十分です。ヘッドに入れて確認しながら形を整えたら塗装して接着します。作業の為に切り開いた頭部も「PPX」で接着して閉じておきます。
013 毛先は5本
ここまできたらいよいよ眉毛やまつ毛、唇に彩色していきます。ドールカスタムの先輩方はアクリル絵の具派とラッカー塗料派に分かれるようですがワタシは使い慣れたラッカーとソフビ専用塗料の併用で試してみます。今回、極細の面相筆が欲しくて探してみたらスゴいヤツがありました。ホビーリンクの「超極細筆」。コレ、なんと毛先が10本と5本!繊細過ぎて扱いきれるか心配ですが試してみましょう。
014 カスタムヘッド
まずは練習がてら見よう見まねでやってみます。まぁ、失敗しても拭き取ってやり直せばいいだけなので気楽にトライ。なるほど。ソフビに薄めたラッカーで細い線は引きにくい、とか色味の調整が難しいとか、色々勉強しながら進めていきます。が、一番の問題はモノが小さくてオッサンの目じゃよく見えないって事! 「あぁっ、目がっ、目があ~っ!」(ムスカ)。
015 カスタムヘッド
何度か失敗しながら、とりあえず彩色が終わった状態です。ここで問題が無ければツヤを調整するためにソフビ専用塗料の「Vカラー」のつや消しクリヤーを顔全体にブラシで吹いておきます。この時ドールアイの部分はマスキングして塗装後、眼球部分にはスーパークリヤーを塗ってツヤを出します。全体にパステルで微妙な調子を付ければ色付けは終了。
016 カスタムヘッド
仕上げに髪の毛を整えます。改造作業の邪魔にならないように長時間縛っていた髪にはひどくクセがついています。まずはこのクセを取るために髪全体を熱湯にしばらく漬けてしまいます。いわゆる「お湯パーマ」です。毛が絡まないようにブラシで解かしながら真っ直ぐに整えていきます。後は自然乾燥するまで置いておきます。乾燥後にドールヘアー用の静電気防止スプレーを吹いておくと絡み難くなります。
017 カスタムヘッド
さらに前髪の一部をカットしたり三つ編みにしたりと、変化を付けてみます。この時前髪が跳ねたり、まとまりが悪いようなら水で薄めた「木工ボンド」を使って固めてしまいます。これで完成。
018 オビツヘッド
ベースにした「オビツ01植毛ヘッド」との比較です(髪が絡まないように頭にビニール巻いてます)。改修部分の違いが分かるでしょうか?
019 カスタムドール
このヘッドを例のシリコンボディーに合わせてみます。HOTSTUFFボディーの首パーツとオビツヘッドの取り付け穴のサイズが違うので、ヘッドの穴を少々拡げて対応します。ペイントカスタムとはまた一味違った感じの雰囲気になりました。暗い色の瞳だとドールアイの奥まで光が入らないと表情が出にくい事も分かりました。
020 カスタムドール
同じくHOTSTUFFボディーに別のヘッドを付けてみます。せっかくの完全シームレスボディーなので、こちらはちょっと浮かれた夏仕様で♪カスタムヘッドのベースとして使われることが多いこのオビツ「01」ヘッド。確かに形状にクセが無く汎用性が高いです。このヘッドは肌の色が2種類、植毛の色も豊富なのでいろんなタイプのカスタムに応用出来ます。
021 ルイス軽機関銃
2014年の夏、北京で覗いた模型屋でコレを発見。1/6アクションフィギュア用の「ルイス軽機関銃」です。各部のディティールからみてドラゴン製のフィギュアセットに付属する物と同じでしょう。他にもいくつかあったので半端モノとして出回った純正品か?値段はミョーに高くて105元、約1,700円もしましたがずっと探していたのを偶然北京(!)で見つけたので、つい。欲しかった理由は下の写真。映画「エンジェルウォーズ」の主人公ベイビードールが脇に抱えてぶッ放す場面がカッコよくて、ホットトイズのフィギュアに持たせたいナと♪
022 エンジェルウォーズ
ザック・スナイダーのこの映画。記録的な大ゴケでボロカスに叩かれてるのが気になって。ニーハイセーラー服にツインテール、背中には日本刀。脇のホルスターにはマスコットのストラップが付いたコルト45オート。敵のゾンビドイツ兵はまんまプロテクトギア。確かにめちゃくちゃな映画で大好き(笑)です。まぁでも実際には身長155cm?のエミリーブラウニングには12キロもあるコイツをぶッ放しながら歩くなんてまずムリでしょう。ちなみにワタシが好きなシーンはこの後、日本刀でノールック銃弾返しをするところ♪
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ホビーチャンプへの道 フィギュア