足りないところは想像力で補います。

1982年、シルエットフォーミュラカーとしてサーキットに帰ってきたスカイライン。「RS」のイメージカラー、赤黒ツートーンにでっかくトミカのロゴ。カッコいいス。まずは資料集めから始めますが、時は80年代後半、今のようにネットで画像検索すれば海外の写真まで手に入る、って訳にはいきません。同じエンジン?のハズなのにヘッドの色が違ったり、そもそもカラーのものが手に入りませんが最低限の写真を揃えて足りないところは想像力で補います。

このアオシマのキットの出来は当時の水準からいっても決して良くはありません。形状や雰囲気、表面仕上げ等けっこう雑です。これらを丁寧に修正しつつ、改造・ディティールアップしていきます。エンジンはラリー用のレーシング4気筒、「LZ20B」。これにエアリサーチのターボとルーカス製インジェクションを組み合わせて排気量2.082ccで実に560馬力以上!を絞り出すまでにチューンされました。当時、スカイラインなのに4気筒ってのがどーしても納得いかなかったんですがとりあえず製作開始。キットでは省略されているエンジンまわりはもちろん自作します♪。

ボディーの修正をさっさと済ませ、フロント部分をブッタ切ります。ここに実車同様サブフレームを組んでいきます。今回は形状的に強度が必要なので、鉄道模型用の真鍮1.5mm角棒をハンダ付けで組みました。この時代のフレームはカットした金属パイプを溶接しただけなので、その構造は比較的容易に想像できます。寸法は例によって現物合わせでテキトー♪に。

エンジンはブロックやシリンダーヘッド、カムカバー等全てプラバンの箱組みで作ります。カバーのリブは伸ばしランナーで。エンジン本体は車に搭載してしまえばよく見えないので、それらしいディティールをテキトーに追加してデッち上げます。エキパイやタービンのパイピングはアルミ棒を曲げて組み合わせます。各パイプの塗装は鉄、ステンレス等表現したい材質に合わせて変えてます。タコ足部分は塗料に炭酸マグネシウムを混ぜてツヤを完全に無くしてます。

エンジンの前に置かれる巨大なインタークーラーも形状が良く分かる写真が無かったのでテキトーです。コレはプラバンの積層で作りました。インテークチャンバーに向かうパイプの基部はプラ丸棒で、アルゴン溶接の痕は溶きパテで表現してます。シルバーで塗装した後グンゼのメタルカラーをドライブラシして、ツヤの無いアルミ素材の感じを出してみました。インタークーラー後ろの導風版は金属使えば早いのにわざわざプラバンを金属風に塗装してます。

インタークーラー両脇にマウントされたインテークダクト先端パーツは0.3mm厚プラバンを真空成型してクリヤー系の塗料で塗りました。実車はどうやらFRP製のようで、写真では光りが透けて見える(気がする)ので。ココから伸びるフレキシブル管は電熱ヒーター用のニクロム線を使ってます。サイズもピッタリで値段は安いので、それらしく塗装すれば便利に使えます。

サスペンションも自作します。ショックのコイルスプリングはエナメル線を巻いて作ります。実車同様の不等ピッチで、巻き数も合わせます。これを同じく自作したダンパーに固定してそれらしく。キットのタイヤはゴム製で形状もイマイチ。ショルダーが角ばってレーシングタイヤっぽくないですが修正や交換はしてません。が、タイヤのトレッド面はペーパーでならした後チョークによるマーキングを再現してます。

今回ボディーの仕上げにあまり時間を使いたくなかったのでサフェーサーを使いませんでした。修正箇所は全て削りで直しタミヤのイタリアンレッドを直接吹いてます。成型色も赤なのでとても発色がイイです♪。ただしサフによる遮光の効果が無いので強い照明で照らすとウイング翼端板等の薄いパーツは透けてしまいます。(ちょっと失敗)

この車は黒地部分の白マークが多いので、デカールが透けて色が沈まないように全て2枚重ねで貼りました。(白をハッキリさせたかったので) 当然厚みも増えるのでクリヤーは4回に分けて吹き、その度に砥ぎ出します。苦労して面出ししましたが完成後半年ほどで完全乾燥による段差が出てしまいました。しかもデカールの質自体が悪く、黄ばみとヒビが! なんかスゲーショック。・・・まぁ「プラモデル」にはありがちなオチなので、気にはしません。

室内はほとんどイジッてません。シートベルトはハセガワの「TWRジャガー」のエッチングを流用。配線は超テキトーに追加してます。室内の金属色もタミヤシルバー+グンゼメタルカラー。う~ン、どーもイマイチ?。圧延ジュラルミン板の渋い輝きが欲しかったんですが。ココは、本物のジュラルミンで組んだ方が早かった?

ウインドシールドはキットのクリヤーパーツが厚く歪みも大きかったので、透明度の高い「OHPシート」から切り出しました。コレの接着はビニール系のボンドで。ワイパーはキット付属(?忘れた)のエッチング製。少々薄っぺらくてインチキ臭いのでタミヤあたりの繊細な樹脂成型パーツの方がリアルでしょう。

バックウィンドーもキットのパーツ表面が歪んでいたので一皮削って面出ししてます。ウインドーまわりのモール部分にはメッキ調シートを貼っています。実車はステンレス板(?)のプレス部品なので少々イメージは違いますが、この金属感は○♪。それにしてもこのリアエンド、まっ平ら。

フロントカウルに開いた3個のエア抜きには大きなルーバーが付きますが、力尽きて(笑)作ってません。ただ、この方が中のインタークーラーが見やすいのでイイかな、と。

顔つきも通称ニューマンスカイライン、「R30」と言うよりも後継の「R31」型に近い雰囲気だったので、ヘッドランプの後退角や傾斜角、形状を若干修正しました。またランプのアウターカバーにはスモークを吹いて目つきを引き締めてます。

もともとこの車はボディーに対してタイヤが奥まっていてオーバーボディー感がやや強いです。タイヤは前後ともフェンダーギリギリまで外に出してハデめのネガキャンつけた方が、らしかった?

後ろから。ディフューザーや下まわりはキットのままなので厚みが凄いです。塗装もタミヤの「アルミシルバー」吹いただけ。コンビランプのメッキモールは磨いた洋白線に、中央のメッシュは真鍮製のものに置き換えています。

2010年現在、レーシングカーの空力技術はこの80年代に比べて格段に進化してます。が、この古めかしくて解りやすい迫力もそれはそれでカッコいいッス。

次は最新のスーパーGTかFIA‐GT1の「GT-R」を作って並べてみますか。