022 YOKOMO YRX-10 94-95世界チャンプカー

もう、ストーリーがカッコ良すぎ、完璧です。

記念すべきヨコモのプロテン第一号「YRX-10」です。 短期間で開発された後94年のドイツ世界戦にプロトタイプがたった1台だけ投入されました。 激戦の末決勝3ラウンド中2ラウンドを制し、デビュー戦で見事ワールドチャンピオンに。 もう、ストーリーがカッコ良すぎ、完璧です。ドライバーはもちろん、あの広坂正美選手です。 未組み立てのキットをオークションでGETしました。価格は当時の定価の1/3以下。 プロテン人気もそこまで落ちてしまいました。 (買いやすくて助かるけど、何か寂しい)
中身を確認して、さっそく組み立てていきます。 このキットは廉価版?なのでメインシャーシ以外の板物パーツはブラックFRPです。 全てオプションでカーボンパーツがあるようなので追々交換していきましょう。 それにしてもこの板の数! フチの面取りと瞬着コーティングだけでウンザリします(笑)。 面取り→瞬着コーティング→砥ぎ→コンパウンドの順で仕上げれば完璧です。 途中で飽きて(!)FRPの何枚かは未加工です。
板物の下準備が出来たら組み立てに入ります。 パーツの加工精度が良いのでサクサクと進みます。 F/サスのマウントを組んだだけでカッコイイので写真撮ります(笑)。 カーボンプレートとアルミの組み合わせって、何度見てもカッコイイっす♪。
ここに、ボールシートを組んだサスアームを取り付けます。 アーム先端にはキングピンとは別にスプリングガイドがありますが、ここに載せるコイルバネの両端はしっかりと面出し研磨されてます。 上級キットでは常識ですがちょっと嬉しくなります♪。
この車の「ウリ」のひとつ、2本のリアショック。 約60度の挟角でポッドを支えることでロール、ピッチの両方を制御します。 本体の黒パーツは全てジュラコンかナイロン製のようで、シリンダー外周に刻まれた極小ピッチのネジは切削加工されています。減衰力はたった1個のOリングのみで発生させますが、そこは流石ヨコモ。ちゃんと効いています。Oリングさえマメに交換すればオイル封入式の小型ダンパーより効果的かも? シリコンオイルを塗りながら組み立てます。
完成するとこうなります。 2本のコイルオーバーダンパーのみでポッドを制御するので、アソシ式のダンパーワッシャーはありません。アソシはダンパーワッシャーでポストが削れて段になったりダンパーグリスにベタベタにゴミが付いたりで、一見シンプルでも実は結構煩わしいッス。 そういう意味ではこの方がかえってシンプルかも。
ポッドとシャーシの接続部を後ろから。合計3個のボールシートが見えますが、全てがシャーシに固定されたリンクプレートに付いています。中央のボールが同じくシャーシ後端に固定され両側の2個がポッドのロアブレースに接続します。つまりロール方向はリンクプレートのしなり、ピッチングは両端のボールが受け持つ訳です。 最新の4セルDDカーのサイドリンク形式に似た構成ですが、これはリンクプレートによってフローティングマウントされたポッドで路面からの突き上げ入力にも強そう?です。
これはアッパーデッキに取り付けるジュラコン製のアンテナマウントベースです。M3ビス用の穴が小さくて締め込めないのでタップを立てます。 ネジ切りはビス長の2/3ぐらいで止めるのがポイント。 同じく前出のダンパーも、ボールエンドを固定するシリンダーの穴が小さかったのでこちらは接続用のホロービスを短い物に交換して対応しました。 今回、組み立て中に調整を要したのはこの2点だけでした(タミヤよりカンタンかも)。
このキット最大のウイークポイント、リアアクスルマウントです。 軸位置が固定で、ハイトアダプターが使えません。 つまり車高調整はタイヤ径の調整でしか出来ない訳です。 ヨコモ製品なので、調整式がオプションで用意されていたとは思いますが・・・。 フロントの車高はスペーサーとスプリングガイドのナットの締め込みで無段階に調整可能です♪。
接着、カット済みでストックしていたタイヤを装着して 1時間程で完成(はやっ)。 R/C装置を積んでいないのでステアリングリンケージは省略してます。 16年前、ドイツの高速サーキットで当時のトゥエルブ王者スパシェット選手さえも寄せ付けずに世界一に なった車(の量産キット♪)が目の前に。 やっぱプロテンってカッコイイわ。
せっかくなので他のプロテンと比べてみます。 右からYRX10、RC10L2、エボリューションです。 同じフラットパンシャーシでも前後サス形式が3台で全部違います。 が、この3台全てがワールドチャンピオンカーなので どのデザインのアプローチも正解だったといえるで しょう。 ホイールベースは10Lが一番長く、YRX、Evoの順で短くなります。
ついでに重さも比べてみます。タイヤ・ホイール、モーター等を外してほぼ同じ条件にしておきます。 やっぱりこのYRX10が一番重いです。 最軽量のEvoより100g!も重いッス! 10Lが妙に重いのは意外。 Evoはドライカーボンプレートなのでシャーシそのものが軽いようです。