001 SPIRIT 201C 縮尺F1コンストラクターへの道!02

SPIRIT 201C

ここで活躍するのがご存知?「プリントごっこ」です!

それでも無いものは作ります! まず、写真からスポンサーロゴの書体を確認し実際の10~15倍のサイズで書き起こします。パソコンを持ってなかった当時、ワタシにはこの地道な方法しかありませんでした。(むかし取得した「レタリング検定2級」の資格が役に立ってます♪)
これを1/20サイズに縮小して並べ、原稿を作ります。家庭用プリンターなんて我が家には夢だった時代です。ここで活躍するのがご存知?「プリントごっこ」です! もう今では見掛けませんが実はコイツ、シルクスクリーン印刷機なんです。ってことは、あの「カルトグラフ」と同じじゃん! さあ、年賀状気分(笑)で試してみましょう。
クリヤーデカールに印刷してみます。写真は何度か試した中の失敗作(笑)です。文字外形が少々にじんで鮮明度が悪いですが何とか使えそうな物を本番用に選別しておきます。この印刷機用のシルクスクリーンの「目」がそれほど細かくない(当たり前か)ので、特に極小文字の再現度がツライです。
ノーズコーンです。自作した「News week」のデカールも貼ってあります♪。このパーツも周囲にフランジを追加してあります。整形・仕上げと下地処理をしてアッパーカウル本体に仮止めします。左右のラインがズレない様にマスキングして、白→赤→青と塗っていきます。
サイドポンツーンの側面パネルは0.5mmのプラバンから切り出しただけです。これも両面をサフェ→ホワイト→青→クリヤーの順で仕上げます(デカールは全て自作)。93年の製作時は写真を撮ってなかったので、全て完成後の写真を使ってます。ただ、完成後も出来るだけ分解できるように多くのパーツを脱着構造にしてます。このパネルもシャーシの隅の爪に差し込んで位置決め・固定が出来ます。
フォワードウイングも脱着式です。この2枚の羽の間には隙間があり、バラバラにならない様に両端を0.5mmのプラバンで連結してます。サイドパネルの裏側に爪が出ていて一体化したウイング両端の溝に差し込んで固定します。「POWERED by HONDA」デカールも自作です。
センターモノコックはプラバンの箱組みです。当時主流だったアルミ(カーボンモノコック登場はこの2年程後)の質感を出したくて、グンゼのメタルカラーを吹いたあと磨いてます。フロントサスペンションはプラバンで翼断面の棒を作って芯に真鍮線を入れてあります。キングピンは虫ピンを使ってステアを可能にしてますがタイロッドで連動させる事が難しかったので、結局固定してしまいました。
作り勝手や塗装のし易さを考えて、モノコック上部も脱着式です。(タイロッドも一体) 実は後でコクピットに収まるドライバー(ヨハンソン)を乗せようと接着しないでおきました。(このプランはいずれ実現しようと思っているのですが・・・)
シャーシにアッパーカウルを載せたところです。カウル脱着式にするとこういうアソビが出来るので楽しいです♪。車を取り囲むチームスタッフ、マスコミ、野次馬、キャンギャル等を20人ぐらい散りばめてジオラマにしたらいい感じになりそうです。
この部分は最も資料が少なかったところです。ホンダのミュージアムに行けば完璧な写真が撮れそうですが、未だに実現してません。コクピットの内部もかなりテキトーなので、合わせて写真を撮りましょう。
フロントのオーバーハング(鼻先)が少し短かったかも? 全体的には80年代前半のズングリしたデザイントレンド(笑)を上手く表現出来たと思うのですが。フロントのメッシュホイールは1/24ポルシェからの流用です(形状が違いますが、まぁ、雰囲気で)。リアは実車のホイール形状が良く分からなかったのでFW11の物をそのまま使ってます。
製作当時、今では想像出来ない程のF1模型ブーム真っ只中だったので模型工作用の様々なアクセサリーパーツが市場に溢れてました。あの「モデラーズ」が一番ノッていた時期でしょう。模型好きとしてはどーかと思いますが一応これを一通り揃えてエンジン周りのディティールアップに使います。因みに左上の「初期型」メッシュホースは質感最高です。これだけでも再販して欲しい!
今回エンジン周りは特に気合い入れて作りました。FW11のブロックとミッションケースを芯にして、「RA163E」に退化(笑)させます。ヘッドカバーはモールドを変更してスタッドボルトを追加してます。インテークチャンバーはエポパテで作りラッカーパテで溶接痕を表現してます。インジェクション周りもプラ材や真鍮線で自作します。
ターボへ空気を送り込むファンネルはラッパ形状を再現するため、型を作って真空成型してます。これに型押しした真鍮メッシュをはめてそれらしく。2段重ねのラジエターはF1キットからの流用、横置きのインタークーラーはプラバンからの自作です。ラジエターの下に見える白い爪がサイドパネルを固定する為の物です。冷却系のパイプやホースの取り回しで不明な部分が多く途中で切れたままになってるのはご愛嬌♪。
リアサスもフロント同様基本はプラバンです。各ピボットには虫ピンを使い可動式にしてます。ダンパーユニットも自作ですが丁度良いコイルスプリングが見つかりませんでした。で、エナメル線を巻いてコレを表現したためダンパーは動きません。結果的にサスペンションも動きません!(笑)。リアウイング表面には市販のカーボン風デカールを貼ってみましたが、イマイチカーボンに見えません。次回は違う処理を試してみましょう。
排気系はアルミの棒材(線材)を使ってます。実車はエキパイ全て黒塗りの様ですが、せっかくアルミ曲げて作ったのに黒く塗るのもなんだか・・・。で、タービンまではつや消しスモーク、そこから先はクリヤーを吹いてます。こういうのって実車マニア的にはNGなんでしょうがその方が模型栄えしそうだったので。ちなみに色的には全然ウソなんですが真鍮磨いたまんま、って所も結構あります(ドライブシャフトとか)。
ロールバーも実車は黒塗装です。せっかくアルミを磨いてピカピカになったので塗るのもったいなくて。スモーク吹きました。全体に実車の「試行錯誤感、ゴチャゴチャ感」が弱くややスッキリしてしまったのでもう少し手を加えてもいいでしょう。もてぎまで写真撮りに行くか。

じっくり眺めてニヤニヤしましょう(笑)

いろいろとツメが甘い部分が多いですが、ひとまず完成です。さあ、じっくり眺めてニヤニヤしましょう(笑)。プラスチック素材は熱や溶剤分に弱く、完成後に変形してしまう事があります。ワタシはこういう劣化を防ぐ為、しっかりした箱に入れて日光(反射光も)を避け温度変化が少ない場所で保管します。(撮影時は完成から15年が経過してますが殆ど劣化してません♪)
展示用のベースは角材を枠に組み中央の板にカーボンクロスを巻いて、アクリルでフタをしてます。83年当時はオートクレーブで焼いたカーボンモノコックをカーレースに使うってのはまだ一般的ではありませんでした。この車のベースも磨いたアルミの方が「正しい」んですが、カーボンの方がカッコいいでしょ?。木枠とカーボンの組み合わせもやってみたかったので。
おまけをひとつ。コクピットにドライバー、横にこのフィギュアを立たせて完成。のつもりでした。これはモデラーズの1/20用アクセサリーを少々いじった物です。下地までは出来てるので塗るだけなんですが・・・。リーボックスカイラインのディオラマでも使いましたがこのシリーズのフィギュア、本当に良くできてます。もう買えない?残念。