002 NISSAN R87V 80’sモータースポーツへの誘い

NISSAN R87V

日産のCカー「R91CP」がデイトナ24時間レース初出場で日本車初の優勝!!

NISSAN R87V92年、日産のCカー「R91CP」がデイトナ24時間レース初出場で日本車初の優勝!!。ヤッター!!。それまでの六つの公式記録の全てを塗り替え、一度もトップを譲らない完全勝利でした。チーム、ドライバーは全員日本人(当時のワークスドライバーの1人アンダース・オロフソンは出走登録するも、この事に気を使い乗車せず)。車は100%日産製。翌日のスポーツ新聞各誌1面は珍しくこの記事がトップでした(それほどの偉業でした)。テレ朝は後日密着ドキュメンタリーを放映しました。
たまたまこの時現地へ飛んでいた友人から400枚の写真をもらい、資料もバッチリです。(まだデジカメが普及してなかったので全てプリントなのが難点ですが)「RACING ON」や「AUTO SPORT」にも載ってないディティール写真が沢山あります♪。これはもう作らない訳にはいかないでしょう!?。
後は1/24でフルスクラッチするか、1/43キットをスーパーディティールにするか。ディオラマか・・・。迷います。いつかCカーのガルウイングを完璧な開閉式にしたいと思っていたし、そうなると1/24サイズが手頃か? スピリット201C同様、真空成型でフルオープン?。
そんな事を考えていた時、別の友人から「R87V」の1/43キットを貰ってしまいました。既にやる気になってるし、同じ日産のCカーだし(!) こっち作ろっ(えェ~っ)。まぁ、この87Vも日産Cカー史上重要なポジションにある事は間違いないし(おいおぃ)。後にデイトナ優勝エンジン「VRH35Z」に進化するレース専用の自社開発エンジン、「VEJ30」を久々に搭載したマシンなんです。それでは、早速作りましょう???♪。
とりあえず、ぶったぎります(笑)。このプロバンスのキットはもともと外観を手軽に楽しむノリのプロポーションモデルです。勿論そのまま丁寧に組んで小奇麗に塗装すれば日産Cカー独特の雰囲気が楽しめます。が、やっぱり自分だけのスペシャルにしたいので例の如くエンジンを積んでみます♪。
エンジンカウルを切り離した後、キャビン側もディティールアップに備えて後端部を削り込んでおきます。パネルのフチはレジンの限界まで薄くします。こうなるとドアも開けたいところですが、欲張りすぎてイヤになると永遠に完成しなくなるので今回は無理せずリアカウルだけにしておきましょう。
切り離したリアカウルです。こちらは裏側を全面削り込みます。全体に0.5mmぐらいの厚さになるまで慎重に削ります。初めは電動工具でざっくりと荒取りして、彫刻刀やヤスリで仕上げていきます。上面のルーバーはキットのモールドを生かして開口していきます。
その裏側です。こちらもフチは限界まで薄くしましょう。ただし。注型されたウレタン樹脂は材料としての安定度が低く、これだけ薄く削り込むと「反り」や「ヒケ」、「収縮」で変形してしまうので様子を見ながら進めます。このカウルも加工時とサフ塗装後の2度、大きく反ったので矯正しながら放置して落ち着かせました。
ボディーカウルの下準備が大体終わったところです。この後仕上げの白サフを全体に吹きますが、またリアカウルが反ってしまいそうで怖いです。リアカウルの下側(リアタイヤの前)がありませんがココはアルミ板で作って塗装後にフロアに固定する予定です。
次にフロアーを作ります。このパーツは0.3mmのアルミ板を折り曲げて作りました。実車のディフューザーは後に向かってゆったりと弧を描いて上がっていますが、アルミを曲げられなかった(笑)ので真っ直ぐです。これでディフューザーのフチは自動的に0.3mmです。
コクピットも同じく0.3mmのアルミ板で作ります。リベットの表現は裏側から罫書き針を押し当てて成型してます。一個でもズレると目立つので結構難しいです。かなりの失敗を経て(笑)写真の状態になりました。裏側は見えないので、プラ角棒を当ててエポキシでベッタリ接着してます。
各パーツを合体してみます。さあ、これで楽しい(?)エンジンルーム製作のベースが出来ました。ボディーの加工は一旦止めてリア周りを製作します。例によって全て現物合わせで行きます(要するにテキトーって事♪)。
まずは主役のエンジンを作ります。これを見て「あれ?」と思った人、本当のマニア。じつはコレ「VRH35L」です。そう、87Vの10年後にルマンを走る「R390GT1」の物です。何年もチンタラとやってるうちに1/43の「R390」がリリースされ、キットをいじってたらそっち用のエンジンを先に作っちゃいました(笑)。これは全くのゼロからの製作です。パーツ数は100ピース以上。
後にGETしたタミヤの「R390」1/24プラスチックモデル(傑作!)が寸法面でとても参考になりました。自慢は、タミヤのエンジンで表現されてるモールドは全部再現している事♪。このエンジンを複製してR87用の「VEJ30」にデチューン(笑)するつもりです。ただし実物はエンジン自体が別物なので使えるのはブロックぐらい?でしょう。
とりあえず積んでみます。車に対してエンジンが一回り大きい?ようです。でも、雰囲気はイイ感じ。吸排気系や足回りが追加されるとかなりの密度になって見応えありそうです。カウルのルーバーからタービンとウェイストゲートが見える、ってのも再現しましょう♪。
1/24ぐらいだとオモチャっぽく見えるところでも1/43では挽き物でカッチリ作った方が見栄えがいいパーツが多くあります。ターボ車特有のこの「ウェイストゲートバルブ」もそのひとつなので、思い切って金属加工屋さんに作ってもらいました。何度か図面のやり取りをして形状を決めました。サイズを含めて少々デフォルメしてあります。1台2個で12台分。
これは全部鉄道模型用の金属パーツです。電車用エアータンクは各種ボンベへ、発炎筒や信号管はコクピットのスイッチやエンジン周りにそのまま使えます。しかもカーモデル用のパーツに比べてメチャ安い!。真鍮挽き物のタンクが2個で220円! 因みに写真のパーツは全て「ユザワヤ」で購入しました(何となく鉄道模型専門店では買い難いので)。
こちらは「メイクアップ」のエッチングパーツ。サスペンションアームのピボットや各種タイラップ、シートベルト。競技車輌系(笑)自作派モデラーは助かります。ただし、高価。タイラップ等は使いすぎに注意。やり過ぎるとウソ臭くなります。
もうひとつ、エッチングのサスアーム。これは吉祥寺の「ウェーブBe-j」でGETした処分品。確か1枚10円でした。1/43フェラーリ126C2とスピリット201C用ですが、少々加工すればCカーにも使えます。特にリアはギアボックスのピボットからアームが伸びるので、これを使って頑丈に組みましょう。次回ボディー塗装へつづく・・・?。