20年振り、突然の復活!


北京で再開したサーキット走行を帰国後も続けたいと思っていたんですが。
ワタシの住む地域にはドリフトやミニサイズ用のインドアサーキットしかありません。
屋外のコースは電動ツーリングには色々と大変だし。
そんな時、北京で一緒に遊んだ友人がバギーをやらないかって。
となれば最新のハイエンドが欲しくなりますが、ワタシは前回のツーリングにお金を使い過ぎてしまったので、新車はひとまず我慢です。
そこで登場するのがコレ。
20年前(!)のワールドチャンピオン、ヨコモMX-4です。


このクルマ。
10年ぐらい前にサーキット走行中にボディー内に巻き込んだ小石でリアベルトがチギレてから使ってません。
当時このクルマをベースにしたツーリングカーのMR-4や後継バギーのMR-4BC等がしばらく生産されていたのでパーツは割と入手しやすかったんですが。
ナゼか修理しないまま保管していました。
サーキット走行となれば当然修理が必要なので、まずはパーツを用意します。


で、ネット通販で購入したパーツがコレです。
ホイールやサスアームがフツーに買えたのでビックリ。
ホイールはこのシリーズ専用の特殊ハブ形状で現行品との互換性がないので、とりあえず3セット購入。
同じくスパーギアもスリッパー一体の特殊形状で汎用品が使えないので買っておきます。
前後ナックルやハブキャリアはMR-4用を。
もちろんリアベルトやプーリーも揃えましたが、このクルマ専用の長いフロントベルトは残念ながら見つかりませんでした。


さっそくリアベルトを装着します。
このクルマ、リアセクションのレイアウトが凄くタイトで、シャーシに沈み込むスパーやプーリー部分のクリアランスがギリギリです。
ココに小石が挟まるとギア舐めやベルトの断裂につながるので、対策を考えます。
この機会にリアデフの10年前の汚れを落としてメンテしておきます。


このクルマは廉価版キット(?)だったので、メインシャーシ以外の板物パーツはFRPでした。
せっかくなのでオプションのカーボン製パーツに交換しようと色々探してはみたんですが。
オークション等で全部揃えるのも面倒だし時間かかるし。
なので。
3mmのカーボンプレートから切り出して自作してしまいました。
オリジナルをそのままトレースして同じ形状で。
ただし少々頼りないカタチのフロントダンパーステーだけは面積を増やしてみました。


全て装着するとこんな感じです。
経年変化で樹脂が黄色くなったメインシャーシと色味が随分違います。
こうやって見ると最新モデルの、アルミの精密NCパーツを多用したモノに比べてえらく原始的ですな。
なんか恐竜の骨格標本の様にも見えます。


続いてRC装置を積んでいきます。
ステアリングサーボは、フタバ4PXを買う前に使っていたKOのバギー用17.6kg、RSx2を。
本当はフタバのハイトルクが欲しいんですが、まずはコストかけずに始めます。
4PX購入時、フタバの送受信機とコイツを組み合わせて使っていましたが(ワタシには)何も問題なかったので。
レイアウト上ボディーに干渉する「耳」をカットして搭載。


ESCとモーターはBD8で使っていたハイパワーコンビを移植。
そういえばワタシはブラシレスモーターとリポバッテリーの組み合わせをバギーで使うのは初めて(!)です。
しかも「旧車」で。
バラクーダの時の様にコイツもボールデフプーリーが過負荷で溶けたりするのか?


その最新のパワーソースが旧車のボディーにキレイに収まらないので干渉する部分をカット。
あとは車輌右側に縦積みするハードケースのリポバッテリーのマウントステーを自作すれば走行できます。


出撃準備が整ったので、アキバにタイヤを買いに出かけようとしていたんですが。
1セット残っていた、接着済みで未使用のタミヤ「スーパーグリッパー」をクルマにとりつけていたら。
他にも未使用のタイヤセットをどこかに保管していたような気がして、探すこと半日。
やっぱり、出てきました。


プロラインの「ホールショット」とヨコモの「二段ピン」。
いつ貼ったか全く覚えていない、たぶん10年前のタイヤ・ホイールです。
あと、未開封のロッシ「テーパーピン」も。
触った感じタイヤのゴムは柔軟性がありヒビ割れはありません。
インナースポンジも加水分解はしてないようです。
一応ビニール袋で密閉保管していたのが良かったか?
まあこのホイールはナイロン系なので、ダメだったらアセトンに漬けて剥がしてしまいましょう。


準備が終わっていつでも走れる状態のヨコモMX-4。
このクルマは販売されていた期間が短く、数もそれ程多くは出回っていない様です。
ネットオークション等でも標準ボディーや専用パーツはほとんど見かけません。
なのでオフロード走行でこの貴重なボディーやアンダーカバーがガリガリに傷つくのは避けたいです。
そこで手に入りやすい現行品のボディーを流用できないものかと。
ただこのクルマ。
バッテリーをセンターに寄せつつ車輌後方のスパーとピニオンギアを避けるレイアウトのため、メインシャーシは後ろで広がる独特な形状です。


そのためボディーやアンダーカバーを他から流用するのは難しそうです。
当初オリジナルの、幅が広いシャーシ後方をカットしてナロー化する事を考えました。
でもこれだとサブCセル用に開けられたバッテリースロットと繋がって強度が保てません。
そこで、(また)シャーシを自作して現行車のボディー、アンダーカバーを装着出来るようにすることに。
3mm厚のカーボン板からデッキ部分の幅120mm一定で切り出し、前後のギアボックスマウント部はオリジナルと同形状にします。


このクルマ、リアサスアームやフロントベルトがシャーシと干渉する部分を自分で削って加工しなければなりません。
この部分と各ネジ穴、スパーギアやリアデフ部分の穴加工を済ませてから組み付けます。
ワタシはショートタイプの2セルリポバッテリーを持っていないので、とりあえず標準サイズのものを積んでみました。
ただし車輛後方のスパーとピニオンを避けながらセンターに寄せなければならないので、バッテリー自体がやや前方に来てしまいます。


ショートタイプのバッテリーを用意すればいいんですが、リハビリ走行中はとりあえずこれで様子をみてみます。
早速この状態で搭載出来そうなボディーを探してみましょう。


アキバのラジコン店やネットで色々調べてみたら、タミヤのこの「TRF511」用のボディーが使えそうです。
ただコレもバリバリの現行車ではなく、市場在庫だけみたいで数は少ないです。
いくつかのネットショップを比べて一番安かった「ジョーシン」で購入。
送料込みで3,290円。
さっそくカットして搭載の準備を始めます。


このボディーをシャーシに合わせてみて分かったんですが、ボディーのノーズ部分の幅が狭くてアッパーデッキに干渉します。
そこでアッパーデッキの幅を狭くした形で作り直します。
この車が登場した97年の世界戦、そのプロトタイプをイメージした形状にしてみました。
コレを3mmのカーボン板から切り出します。


オリジナルではステアリングのクランクポスト上端部が延長されアッパーデッキで固定されます。
この部分も同じくボディーに干渉するので、このポストを真鍮パイプから切り出して短くします。
上端部をアッパーデッキで固定できなくなるので剛性は落ちますが、クランクポストが約5mm低くできるのでボディーとの干渉はなくなりました。


中性洗剤で洗ったボディーを乾かしてからマスキングして塗装の準備をします。
この写真を見てピンときた人はかなりのラジコンマニア。
せっかくヨコモの名車を復活させるので、今回は「あの」カラーリングを再現してみます。
北京滞在中にポリカボディーを塗装した時、スプレー塗料の希釈には現地で購入した車用の「ブレーキクリーナー」を使いました。
なので今回もクレのブレークリーンを試してみたんですが、全然ダメです。
塗料が分離してドロドロになるだけでした。


う~ん。
どうしたものかと困った挙句に目の前にあった、プラモ用の「真溶媒液」を使ってみます。
コレ。
古くなって固まりかけたラッカー塗料を復活させる為の溶剤なんですが。
なんと、ポリカ用スプレー塗料がバッチリ希釈できます!
すでに有名な話?なのかもしれませんが、ワタシ的には大発見でビックリ!
もちろんエアーブラシのハンドピースの洗浄にも使えます。


で。
サクサクと塗装が進み、完成したのがコレです。
89年にあの広坂正美選手が初めてヨコモの4WDでワールドチャンピオンを獲得した時のカラーリングを再現してみました。
(このMX-4もドッグファイター直系なので)
せっかくなので同じカラーで塗装した「YZ870C」スーパードッグファイターと並べて記念の1枚♪
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